シンボル
仁王門

ご挨拶

有史以来、瀬戸内海は我が国の最重要航路として大切にされていました。
そして、瀬戸内海の西の入口である「大畠瀬戸」は「阿波の大鳴門(龍宮東門)に対して「龍宮西門」と呼ばれ、日に二度ずつ起こる干潮による潮流を「龍」と恐れ、また船の推進力にもした古代の人は、いかに瀬戸を無事に通過するかに心を配りました。 そして、神峰山般若寺はその「龍宮西門を無事に超える為の灯台の神山として崇められ、瀬戸に住む「金龍神」を、人柱となって鎮めた「般若姫」が葬られた当山観音堂の小山と、瀬戸に浮かぶ「幣振島」を結んだ航路のみ無事に通過できるとされて参りました。 毎年大晦日から三月の節句まで、海底深くにある「龍宮」より般若姫のご神霊である火の玉「龍燈」が、当山をはじめとする姫ゆかりの地に飛来すると伝えられており、その「龍燈」は安芸の国厳島弥山からも見えたと伝えられています。 そして、地球と月による宇宙の息づかいである干潮の流れは、「龍宮西門」を背にして建てられた仁王門の「ア・ウン」の呼吸に当てはめられ、龍が少しでも仏の息吹の如く穏やかであるようにとの祈りで建立され、今でも瀬戸の入口を守っておられます。 姫の命を奪ったとされる「金龍神」も、以来、瀬戸の干満に合わせて水位が変化する「龍神池」に住み、般若姫を守り穏やかに「龍宮」を出入りしておられると伝えられています。
ご参拝の皆さまも、導きのお山におられる般若姫さまが化身された観音さまの前に自らの「苦しみ」をおろし、本来誰もが持つ「仏ごころ」に気づき、少しでも心穏やかな日々をお送り頂けますようお祈り申し上げます。

~虚しく門に至り 満ち満ちて帰る~

合掌

神峰山用明院 般若寺
第九十世 住職 福嶋 弘昭